口紅アレルギーでも使える口紅はある?判断基準と選び方のポイントを解説

口紅を塗るたびに唇が荒れたりヒリヒリしたりすると、「口紅アレルギーなのではないか」「自分に合う口紅はもうないのかも」と不安になる人も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、原因となる成分を避けることで、リップメイクを楽しめるケースも少なくありません。
この記事では、口紅アレルギーかどうかの判断基準や口紅の選び方をわかりやすく解説します。
目次
口紅アレルギーでも使える口紅を選ぶ前に知っておきたいこと

口紅によるヒリつきや荒れがあると、アレルギーを疑いがちです。
しかし、唇のトラブルにはさまざまな原因があり、必ずしもアレルギー反応とは限りません。
この章では、口紅による皮膚トラブルの考え方や唇の状態との関係について整理しながら、選び方に進む前に押さえておきたいポイントを解説します。
そもそも口紅アレルギーではないケースがある
口紅の刺激によって唇が荒れることの総称として「口紅アレルギー」という言葉が用いられることがありますが、医学的な「アレルギー」には該当しないケースも少なくありません。
口紅による唇トラブル(接触性口唇炎)には、大きく分けて「アレルギー性口唇炎」と「一時刺激性口唇炎」の2種類があります。
- アレルギー性口唇炎
- 口紅に含まれる特定の成分に対して免疫反応が起こり、唇に炎症が生じる
- 一時刺激性口唇炎
- 成分へのアレルギーではなく、刺激や毒性を持つ成分との接触で起こる
アレルギー性口唇炎は、一度原因成分に反応(感作)すると、同じ成分で症状が繰り返されやすいのが特徴です。
一方、一時刺激性口唇炎の場合、同じ成分であっても濃度の違いや唇のコンディションにより発症しないケースもあり、体質に関係なく、誰しも発症することがあるとされています。
口紅の「合う・合わない」は唇の状態によっても変わる
唇は皮膚が薄く、皮脂腺もないため、乾燥や摩擦の影響を受けやすい部位です。乾燥や皮むけがある状態ではバリア機能が低下し、普段は問題なく使えていた口紅でも刺激を感じることがあります。
「以前は使えていたのに急に合わなくなった」「同じ口紅を使っても荒れる日と荒れない日がある」という場合は、アレルギー症状ではなく、唇のコンディションが影響している可能性も考えられます。
口紅やリップで唇が荒れる原因やケア方法について知りたい方はリップで唇が荒れるのはなぜ?原因から正しいケアまで徹底解説も併せてご確認ください。
口紅アレルギーの主な症状|一時刺激性口唇炎との比較
口紅アレルギーの主な症状は以下の通りです。
- 唇や唇の縁の赤み・腫れ
- かゆみやヒリヒリとした刺激感
- 皮むけやひび割れ
- 水ぶくれやただれ
これらの症状は、一時的な刺激による口唇炎でも見られるため、見た目だけで判断するのは難しいことがあります。
一般的に一時刺激性の場合は、塗布直後から当日中にヒリつきや違和感が出やすいとされています。
一方、アレルギー性の場合は、使用から数時間後〜翌日以降に症状が現れることが多いのが特徴です。
ただし例外的なケースもあるため、唇のトラブルが繰り返し起こる場合は、自己判断は避けて皮膚科を受診するようにしましょう。
口紅アレルギーの原因になりやすい成分

口紅アレルギーでも使える口紅を探すには、アレルギー反応を起こしやすい成分を把握しておくことが大切です。
この章では、口紅アレルギーの原因になりやすい成分をカテゴリーごとに解説します。
香料
香り付け目的で配合される香料は、アレルギー反応を起こしやすい成分の一つです。
開封してすぐは問題がなくても、酸化することでアレルギーを起こしやすくなるケースもあります。
- リナロール
- リモネン
- ゲラニオール
なお、精油などの天然由来成分にもアレルギーリスクがあります。
メイクアップとしての本来の目的とは別に、主に商品の付加価値をつける目的で配合されている成分のため、口紅アレルギーが心配な方は無香料タイプを選ぶとよいでしょう。
着色料
口紅の色味を決める着色料も、人によってはアレルギーの原因になる場合があります。
特にタール系色素やコチニール(カルミン)は、アレルギー反応を起こしやすいことで知られています。
- コチニール(カルミン)
- 赤〇号、黄〇号、青〇号など(タール色素)
同じタール系の色素でも、〇に入る数字の違いによってアレルギーの出る・出ないが分かれるケースもあるため、成分比較をする際は番号まで確認するようにしましょう。
防腐剤
防腐剤は口紅の品質を保つために不可欠な成分ですが、アレルギーの原因になることがあります。
- パラベン類(エチルパラベン、プロピルパラベンなど)
- フェノキシエタノール
- 安息香酸ナトリウム
雑菌の繁殖を防ぐ目的でなんらかの防腐剤を含んでいる商品がほとんどのため、入っていないものを選ぶというよりは、どの成分にアレルギーがあるのかを把握することが大切です。
紫外線吸収剤
UVカット機能のある口紅に使われる紫外線吸収剤にも、アレルギーリスクがあります。
- メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
- オキシベンゾン-3
アレルギーや刺激が不安な方は紫外線吸収剤ではなく、酸化チタンなどの紫外線散乱剤を用いた製品を使用するのがおすすめです。
油性成分
口紅のなめらかな塗り心地や保湿効果を出すため含まれている油性成分でも、アレルギーを引き起こすケースがあります。
- ラノリン
- ミツロウ
- ヒマシ油(リシノール酸)
- リンゴ酸ジイソステアリル
なお、ミツロウやヒマシ油などの天然成分は、オーガニックコスメにもよく含まれる成分です。
「オーガニック=肌に優しい」とは限らないため、使用後に違和感を感じた場合は成分を確認し、唇の反応を基準に見直すことが大切です。
金属
金属アレルギーがある方は、口紅に含まれる金属類の影響でかぶれなどの症状が出るケースもあります。
- 酸化鉄
- 酸化チタン
- 塩化亜鉛
また成分自体に問題がなくても、容器に使われるニッケルやクロムが口紅に付着することでアレルギー症状が出る場合もあるため注意が必要です。
口紅アレルギーでも使える口紅の選び方

一言で口紅アレルギーといっても原因成分はさまざまなため、「この商品は口紅アレルギーでも使える」と特定の商品を挙げることはできません。
しかし、選び方のポイントを押さえておけば、商品選びの失敗を減らすことは可能です。
この章では、口紅アレルギーの方が商品を選ぶ際に意識したいポイントを4つ紹介します。
パッチテスト・アレルギーテスト済の商品を選ぶ
パッチテスト済、アレルギーテスト済と表示されている商品は、一定の条件下で皮膚刺激の有無が確認されています。すべての人にアレルギーが起こらないことを保証するものではありませんが、口紅を選ぶ際の判断材料の一つとして参考になります。
ティントリップなどの染料を使用している商品を避ける
口紅に使われるタール色素には染料と顔料があり、染料の方が粒子が細かく、肌に浸透しやすいことから、顔料よりもアレルギーのリスクが高いとされています。
どちらの場合も「色+番号」で表記されており判断が難しいですが、ティントリップなどの長時間の持続を謳った商品には染料が使われているケースが多いため注意が必要です。
ご自身で成分表を見ながら判断したいという方は、以下の早見表を参考にしてください。
染料・顔料早見表
以下は日本で使用が認められているタール色素(法定色素)のなかでも、口紅などの「粘膜に触れる可能性がある製品」への使用が認められている58種類の色素の分類です。
| カラー | 顔料 | 染料 | 分類不明 |
|---|---|---|---|
| 赤 | 201、202、203、204、205、206、208、220、221 | 2、3、102、104(1)、105(1)、106、215、218、223、225、226、227、230(1) | 207、214、219、228、230(2)、231、232 |
| 黄 | 205 | 4、5、201、202(1)、203、204 | 202(2) |
| 青 | 1、2、201、204、205 | 202、203 | |
| 緑 | 3、201、202、204 | 205 | |
| 橙 | 203、204 | 201、205 | 206、207 |
| その他 | 褐201、紫201 |
ただし上記の表で染料に分類される色素であっても、「レーキ処理」という特殊な処理を施すことにより顔料化しているケースもあります。
こうした処理を行っているかは全成分表示からは確認できないため、早見表はあくまでも商品選びの参考としてご活用ください。
参考サイト:
法定色素 商品一覧|紅不二化学工業株式会社
法定色素検索メニュー|癸巳化成株式会社
余分な成分が極力入っていないものを選ぶ
配合されている成分が多いほど、どの成分が原因かを特定しにくくなるため、なるべくシンプルな処方の口紅を選ぶようにしましょう。
香料などの必須ではない成分が入っているものは極力避けるのがポイントです。
オーガニックや天然由来の表記を過信しない
先述したように、オーガニックや天然由来といった表記は安心感につながりやすい一方で、必ずしも低刺激やアレルギーが起こらないことを意味するものではありません。由来だけで判断せず、実際に配合されている成分を確認する姿勢が重要です。
口紅アレルギーの原因がわからないなら皮膚科に相談を

成分を確認したり、使い方を見直したりしても口紅によるトラブルが繰り返される場合は、皮膚科への相談を検討することも一つの選択肢です。
ここでは皮膚科の検査でわかることや、受診時に用意しておきたい情報についてを解説します。
検査でわかること・わからないこと
皮膚科では既往歴からの原因の推測やパッチテストなどの検査が行われ、特定の成分に対するアレルギー反応の有無を調べることができます。ただし、すべての口紅成分を網羅できるわけではなく、特殊な成分に原因があった場合は特定できないケースもあります。
またパッチテストについての取り扱いは医療機関ごとに異なるため、希望する場合は事前に対応しているかを確認しておくとよいでしょう。
受診時に準備しておきたい情報
受診の際は、症状が出た口紅やリップ製品、使用開始から症状が出るまでの時間、症状の内容や経過を整理しておくと診察がスムーズです。
可能であれば、成分表示のわかるパッケージや写真を用意しておくと、原因を考える手がかりになります。
口紅アレルギーでも血色感のある唇にしたいなら|リップアートメイク
口紅が合わず、血色感の調整が難しい場合、メイク以外の選択肢としてリップアートメイクを検討する方もいます。
リップアートメイクは唇に専用の針で色素を彫り入れ定着させる施術のため、日常的な口紅の使用頻度を減らせる点が特徴です。
アートメイクでのアレルギーが心配ならパッチテストを
リップアートメイクでは針などの金属や色素を使用するため、これらのアレルギーが心配な方は施術前にパッチテストを行うことが推奨されています。
パッチテストは安全性を保証するものではありませんが、リスクを把握するための一つの目安になります。
過去に化粧品でアレルギー反応が出た経験がある場合は、診察の際に医師に相談することが安全に施術を受けるうえで重要です。
リップアートメイクの症例写真
ここからは、当院メディカルブローの症例写真をご紹介します。


その他の症例写真もご覧になりたい方はこちらをご確認ください。
まとめ
ここまでの内容を振り返り、大切なポイントを以下にまとめました。
- 口紅トラブルが必ずしもアレルギーというわけではない
- 唇の状態や使用状況によって症状が左右されることがある
- 香料・着色料・防腐剤など原因になりやすい成分を把握しておくことが大切
- 処方のシンプルさやアレルギーテスト表示も一つの判断材料になる
- 自己判断にこだわらず、唇の症状に悩まされたら皮膚科に相談するのがおすすめ
口紅アレルギーの場合リップメイクを諦めてしまいがちですが、原因や選び方のポイントを押さえることで、無理のない向き合い方が見えてくる場合もあります。
大切なのは早めにアレルギーの原因を把握することです。
自分の唇の状態に目を向けながら、口紅アレルギーでも使える口紅を探していきましょう。
よくある質問
突然口紅アレルギーになることはありますか?
これまで問題なく使えていた口紅でも、急にアレルギー反応が出ることがあります。
これは、使い続けるうちに体が特定の成分を異物として認識するようになり、ある時点から免疫反応として症状が現れることがあるためです。
唇のバリア機能が低下している状態で口紅の使用を繰り返すと、こうした反応が起こりやすいとされているため、日々のケアで唇のコンディションを整えておくことが大切です。
無香料・無着色のリップならアレルギーは起こりませんか?
無香料・無着色のリップは、刺激の原因になりやすい成分を避けている点で参考になりますが、アレルギーが起こらないことを保証するものではありません。香料や着色料以外の成分に反応する場合もあるため、表記だけで判断せず、成分全体を見ることが大切です。
口紅が使えない場合、血色感はどうやって補えばよいですか?
唇の状態が不安定なときは、無理に口紅を使わず、まずは唇のコンディションを整えることを優先するようにしましょう。そのうえで、日常的な口紅の使用が難しい場合には、メイク以外の方法としてリップアートメイクを検討する方もいます。自分に合った方法を、状態や不安の程度に合わせて選ぶことが大切です。