薄毛治療法「メソセラピー」とは?特徴や効果、注入方法を解説

薄毛治療法「メソセラピー」とは?特徴や効果、注入方法を解説

薄毛治療の選択肢として注目されている「メソセラピー」
メソセラピーは抜け毛を抑えたり、髪の成長を促すことを目的とし、薄毛・抜け毛症状に有効な成分を頭皮に直接注入する医療方法です。
この記事では、メソセラピーの特徴や効果を詳しく解説し、注入方法や成分まで詳しく紹介しています。
「メソセラピーってどんな治療法?」「やってみたいけど詳しく知らない」とお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

メソセラピーとは

クエスチョン

メソセラピーとは、注射や医療機器を使い、患部に有効成分を直接届ける治療法です。
もともとメソセラピーは、リウマチやスポーツ外傷、血管系疾患の方に対する治療に使用されていましたが、現在ではAGA(男性型脱毛症)・FAGA(女性男性型脱毛症)の薄毛治療に使用されるほか、セルライト除去やリフトアップなど美容治療にも幅広く応用されています。

AGA・FAGAへの薄毛治療に有効?

薄毛(AGA・FAGA)の治療においてのメソセラピーは、薄毛治療に有効な成分を頭皮に直接注入することで、抜け毛を抑えたり、髪の成長を促す治療方法です。

【薄毛症状に合わせて治療が可能】

  • M字部分
  • 生え際
  • 頭頂部
  • つむじ周辺 など ・・

メソセラピーは、薄毛が気になる部位に薬液を集中的に注入できるため、薄毛の進行状況によって一人ひとりに合わせた治療ができるのが魅力です。
現状、薄毛(AGA・FAGA)治療においてはミノキシジルやフィナステリドの内服薬が特に有効とされていますが、メソセラピーは内服薬よりも副作用のリスクが少なく、身体への負担が少ないのがメリットです。

メソセラピーの効果

頭皮に直接薄毛(AGA・FAGA)に有効な成分を届けるメソセラピーには、以下のような効果が期待できます。

【メソセラピーで期待できる効果】

  • 薄毛の進行を抑制
  • 発毛を促進する
  • 育毛のサポート

メソセラピーは、使用する成分によって期待できる効果が異なります。メソセラピーで効果を実感するためには、自分の薄毛の原因に合った成分を医師と相談しながら取り入れることが重要なポイントです。

メソセラピーで使用される成分

メソセラピーでは、成長因子をはじめとする有効成分が使用されます。また、クリニックごとに独自にブレンドされた成分が用いられることが多く、患者の肌や治療目的によってカスタマイズされるのが特徴です。具体的な成分をそれぞれ見ていきましょう。

成長因子

成長因子とは、体内で作られるタンパク質の総称で成長ホルモンの分泌を活性化させたり、細胞の増殖を促す働きがあります。

【薄毛に有効とされる成長因子】

  • KGF(ケラチン細胞増殖因子)
    髪を作るために必要な環境を整える
  • IGF(インスリン様成長因子)
    髪のもとになる毛母細胞の増殖を促す
  • VEGF(血管内皮細胞増殖因子)
    髪に栄養を届けやすくする
  • bFGF(線維芽細胞増殖因子)
    毛を作り出す毛包を活性化させる
  • HGF(幹細胞増殖因子)
    休止期の毛包を成長期に導く

髪の成長を促したり、発毛力を高めることを目的として、さまざまな成長因子がメソセラピーに用いられています。

医薬品成分

薄毛治療の内服薬・外用薬に使用される医薬品と同様の成分がメソセラピーでも用いられます。発毛を促す効果が期待できる“ミノキシジル”やAGA(男性型脱毛症)の進行を抑える“フィナステリド”などが使用されるケースが多いです。

ミノキシジルの効果については
ミノキシジルの効果・副作用とは?|使用後の初期脱毛や注意点を解説
で紹介していますので、ぜひご確認ください。

栄養成分

サプリにもよく使用される薄毛対策に効果的な栄養成分もメソセラピーに用いられます。

【薄毛対策に効果的な栄養素】

  • 亜鉛
  • アミノ酸
  • タンパク質
  • ビタミン類
  • ヒアルロン酸 など・・

頭皮環境を整えたり、髪の成長をサポートするなどサプリ摂取と同様の目的で、薄毛に良いとされる栄養成分が使用されています。

薄毛に効くサプリメントについては
薄毛に効くサプリはある?|薄毛対策に効果的な成分と選び方
で紹介していますので、ぜひご確認ください。

メソセラピーの注入方法

メソセラピーは、専用の針や機器を使用して薄毛の気になる部分に薬液を直接注入します。注入方法によって薬液の浸透力や施術時に感じる痛みが異なるため、メソセラピーでの薄毛治療を検討されている方は、自分に合った注入方法で施術を受けるのがおすすめです。
メソセラピーの一般的な5種類の注入方法と施術時の痛みについて、詳しく見ていきましょう。

パピュール法

パピュール法は、注射器を使用して薬液を注入する施術方法です。
薄毛が気になる部分の表皮と真皮の間に薬液を注入し、頭皮に成分を浸透させます。皮膚に針を刺すことにより痛みを伴うこともありますが、成分の浸透力が高いのが魅力です。

ナパージュ法

ナパージュ法も注射器を使用した注入方法ですが、パピュール法よりも表皮の浅い部分に薬液を注入します。
パピュール法と同様、先端の細い針で施術を行うため、ピンポイントで成分を届けることができます。

ダーマローラー法

ダーマローラー法は、細かい針で覆われたローラーを転がして薬液を注入する施術方法です。
成分の浸透力は注射器を使った注入方法には及びませんが、パピュール法やナパージュ法よりも施術中の痛みが軽減できます。

ノーニードル法

ノーニードル法は電気刺激や炭酸ガスを使って頭皮の細胞に隙間を作り、薬液を注入する施術方法です。
針を使わない注入方法のため、痛みを感じにくいのが特徴です。痛みが苦手な方や施術後の出血や腫れを抑えたい方に選ばれている注入方法です。

フラクショナルレーザー法

フラクショナルレーザー法は、レーザー機器を使って治療する施術方法です。
レーザーを照射することによって作られた微細な穴から薬液を塗布することによって、薄毛に有効な成分を頭皮に浸透させて治療する方法となります。レーザーによって火照りを感じることもありますが、痛みはほとんどありません。

メソセラピーの治療回数・期間

期間

メソセラピーは月1回から治療が可能なケースが多いですが、効果を実感するためには月2〜4回ほどの頻度で、期間は半年〜1年ほどかけて治療を続けることが推奨されています。しかし、メソセラピーの治療回数や期間は、個人の症状の進行状況や施術を受けるクリニックによっても異なります。
メソセラピーに限らず、薄毛治療はすぐに効果が出るものではありません。安全で有効に治療を進めていくためには、医師と相談しながら期間や回数を調整していく必要があります。

メソセラピーの副作用

メソセラピーは副作用として注射した部位への痛み、頭皮に腫れや赤みが現れることがありますが、軽度なものがほとんどです。
メソセラピーは、投薬治療よりも副作用のリスクが少ない治療法と考えられており、重篤な副作用は確認されていません。

メソセラピーの治療を受けられない人|注意点

注意点

持病や体質により、メソセラピーの治療を受けられない場合もあります。

【メソセラピーの治療を受けられない人】

  • ガンを患っている方
    ガン細胞の成長を促す可能性がある
  • ケロイド体質の方
    炎症が悪化してしまう可能性がある

ガンを患っている方や重度のケロイド体質の方は、メソセラピーに含まれる成分によって体に悪影響を及ぼす危険があるため、メソセラピーの治療を受けることはできません。
メソセラピーに使用する成分によっても心配される副作用が異なりますので、治療を受ける際は頭皮や毛髪はもちろん、自分の健康状態など心配な点があれば必ず医師に相談をしましょう。

メソセラピーの効果を実感できないケース

メソセラピーは毛包が健康な状態であり、栄養を届けられることを前提とした治療法です。
そのため、毛を作り出す組織である“毛包”がない場合は治療をしても効果を実感できない可能性が高いです。
毛包は目視で確認することが難しいため、クリニックを受診する必要があります。まずは、メソセラピーの治療を受けることが可能であるか医師に相談してみましょう。

メソセラピーの効果が実感できないときの対処法

「メソセラピーの効果を実感できない」とお悩みの方は、メソセラピーと薄毛治療薬を併用し、効率良く薄毛治療を進める方法があります。医療機関で植毛やアートメイクの施術を受ける選択肢もあるので、薄毛悩みを早く解消したい方は検討してみるのも良いでしょう。

メソセラピーと薄毛治療薬を併用する

メソセラピーと他の薄毛治療法は、治療の目的や効果がそれぞれ異なるため、併用することによって相乗的な効果を期待できます。

【例:ミノキシジル内服薬と併用した場合】

  • メソセラピー
    頭皮に直接アプローチして毛根を活性化
  • ミノキシジル内服薬
    血管を拡張して血流を良くし、発毛を促す

このように違う方面から同時にアプローチが可能なため、より高い治療効果が望めます。
効果実感までの時間を短縮することも期待できるため、メソセラピーは一般的に他の薄毛治療薬との併用が推奨されています。

植毛をする

植毛とは、薄毛の気になる部分に毛髪を直接植えつける治療方法です。
育毛や発毛を目的とした薄毛治療とは違い、植毛をするには手術が必要となります。

【植毛の種類】

  • 自毛植毛
    自分の髪の毛を薄毛部分へと移植
  • 人工毛植毛
    ポリエステル・ナイロンなどで作られた人工毛を植える

合成繊維で作られた毛を植える“人工毛植毛”は植毛する本数に制限はないものの、人工毛であるため、合わない場合には植毛後に炎症などが起きるリスクがあります。
一方、自分の毛を移植する“自毛植毛”は植毛できる本数に限りはありますが、後頭部などの薄毛になりにくい部分の皮膚組織ごと採取して移植するため、根本的な治療効果が期待できます。

ヘア(頭皮)アートメイクをする

ヘア(頭皮)アートメイクとは、染料のついた専用の針で頭皮に点や線を描き、自然な髪の毛を表現する美容施術です。薄毛の気になる部分に、アートメイクを施すことで薄毛をカバーすることができます。

【へア(頭皮)アートメイクの種類・持続期間】

アートメイクは、表皮に着色するため肌のターンオーバーで徐々に薄くなりますが、色素が定着している間は擦っても濡れても落ちないのが魅力です。
へア(頭皮)アートメイクは発毛には影響しないため、他の薄毛治療と併用することもできます。薄毛治療の間の対策として取り入れてみるのもおすすめです。

ヘアラインの注意点については
ヘアラインアートメイクとは?メリデメ・生え際の仕上がり例・注意点
で詳細をご確認ください。

SMPの症例写真や料金については
頭皮アートメイク(SMP)|髪を描く新しい薄毛治療の選択肢
で詳細をご確認ください。

まとめ

これまでの内容を振り返り、大切なポイントを以下にまとめました。

  • メソセラピーとは、薄毛に有効な成分を頭皮に直接注入する薄毛治療法の1つ。
  • メソセラピーは注入方法によって、薬液の浸透力や施術時に感じる痛みが異なる。
  • メソセラピーは、毛を作り出す組織である“毛包”がない場合は治療をしても効果を実感できない可能性が高い。
  • メソセラピーは投薬治療よりも副作用のリスクが少ないとされ、重篤な副作用は確認されていない。
  • メソセラピーは他の薄毛治療法と併用することで、より高い効果が期待できる。

メソセラピーは、薄毛が気になる部位に集中的に有効な成分を届けることができるため、薄毛の進行状況によって一人ひとりに合わせた治療ができるのが魅力です。
すでに内服薬や外用薬で薄毛治療をされている方は、効果実感までの時間を短縮することを目的としてメソセラピーを取り入れてみるのもおすすめです。

よくある質問

効果が出やすいメソセラピーの注入方法は?

注射器を用いた“パピュール法・ナパージュ法”は特に効果が出やすいとされています。
薄毛に有効な成分が含まれた薬液を、注射器で直接患部へ集中的に注入するため、他の注入方法より浸透力が高いとされています。

メソセラピーにダウンタイムはある?

メソセラピーにダウンタイムはほとんどありません。
施術した部分に痛みや赤みが現れることがありますが、ほとんどの場合が一時的なもので生活に支障が出るような症状は一般的に少ないとされています。

メソセラピー施術当日は入浴できる?

メソセラピーの施術を受けた日の入浴は控えてください。
入浴やサウナは、温まることにより血流が良くなるため、痛みや腫れが生じやすくなる可能性があります。また、シャワーを使用する際は細菌の侵入を避けるため、なるべく施術部分を濡らさないようにし、やさしく洗髪するようにしてください。頭皮の状態によっては、シャワーを控えた方が良い場合もあるので、心配な方は医師に相談してみましょう。

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