ミノキシジルの効果・副作用とは?|使用後の初期脱毛や注意点を解説

ミノキシジルの効果・副作用とは?|使用後の初期脱毛や注意点を解説

薄毛治療に用いられる代表的な成分の1つである「ミノキシジル」
脱毛症状に有効なミノキシジルは、発毛・育毛効果に加え、抜け毛を防ぐ効果が認められているため、薄毛にお悩みの方には必見の成分です。
このページでは、ミノキシジルの効果・副作用や注意点を解説し、男女での違いも紹介しています。ミノキシジルが効かないときの対処法も解説しているので、薄毛を改善したい方はぜひ参考にしてみてください。

ミノキシジルとはどんな成分?

ミノキシジルとは、薄毛治療に効果が認められている発毛成分の1つです。
もともとは高血圧患者の治療薬として開発されたものでしたが、体毛が濃くなる症状が発見されたことにより、発毛剤の成分として用いられるようになりました。

【発毛効果が認められている成分】

  • ミノキシジル
  • フィナステリド
  • デュタステリド

アプローチの仕方は異なりますが、上記3つの成分は薄毛治療に効果が期待できる成分です。フィナステリドとデュタステリドは薄毛の原因につながる還元酵素の作用を阻害して抜け毛を減らすのに対し、ミノキシジルは毛母細胞にアプローチしてヘアサイクルを活性化させて脱毛症状を改善します。
毛包に直接アプローチする“ミノキシジル”の効果について詳しく見ていきましょう。

ミノキシジルの効果

ミノキシジルは薄毛治療に効果が認められている成分で、髪を太く、長く成長させて脱毛症状を改善する治療薬です。

【ミノキシジルの効果】

  • 発毛効果
  • 育毛効果
  • 脱毛抑制効果

血管を拡張させ、毛を作り出す器官である“毛包”に直接働きかけることによって、新しい髪の発毛と生えている毛の成長を促します。1本1本が栄養豊富な毛に育つことで髪が抜けにくくなるため、脱毛抑制にも効果的です。
ミノキシジルは、AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)、びまん性脱毛症治療などに効果があるとされています。

ミノキシジルの種類と使用方法

外用薬・内服薬

ミノキシジルの種類には、外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)があります。
それぞれの特徴とあわせて使用時・服用時のポイントも一緒に確認していきましょう。

外用薬|塗り薬

皮膚に直接塗布するミノキシジルの外用薬は、塗るタイプのため手軽に使用可能です。効果は緩やかに現れますが、副作用のリスクが少なく、薄毛治療初心者の方でも始めやすいのが魅力です。

【使用時のポイント】

  • 頭皮にしっかりとつける
  • 塗った後は乾くまで放置する
  • 用法・用量はきちんと守る

ミノキシジルの外用薬を使用するときは、しっかりと浸透するよう、髪の毛ではなく頭皮につけるように意識することが大切です。また、薬を浸透させるため、塗布後乾くまでなるべく触れないように放置するのが良いでしょう。

内服薬|ミノキシジルタブレット

「ミノタブ」と呼ばれるミノキシジルタブレットは、ミノキシジルの成分を含んだ内服薬です。体内から血管に働きかけるため、外用薬より発毛効果が高いとされている飲み薬です。

【服用時のポイント】

  • 服用の習慣をつけ、飲み忘れに注意する
  • 用法・用量はきちんと守る

ミノキシジルタブレット(ミノタブ)は強い血行促進作用により、高い効果が期待できますが、その分副作用のリスクがあることを理解しておきましょう。副作用については後述で解説します。

ミノキシジルの外用薬・内服薬の違い

ミノキシジル外用薬(塗り薬)と内服薬(ミノタブ)では、さまざまな違いがあります。

【ミノキシジルの外用薬・内服薬の違い】

種類 方法 効果 リスク 厚生労働省の認可
外用薬 頭皮に塗布 緩やか 少ない 認可を受けている
内服薬 経口摂取 高い 多い 認可を受けていない

塗るタイプの外用薬は、皮膚に浸透させて有効成分を毛根に届けて作用するのに対し、内服薬(ミノタブ)は体内の血管に働きかけて作用します。

【血管への作用】

血管への作用

  • 外用薬(塗り薬)
    毛細血管を拡張して血流を促す
  • 内服薬(ミノタブ)
    細動脈を拡張して血流を促す

どちらも血管を拡張させて毛包に働きかける点は同じですが、内服薬(ミノタブ)の方が、より細胞に働きかけやすい血管(細動脈)を拡張して血流を良くします。そのため、内服薬(ミノタブ)の方が高い発毛効果を期待できますが、その分副作用などのリスクは多いです。一方、外用薬(塗り薬)の効果は緩やかとされていますが、厚生労働省からの認可を受けているため有効性と安全性が認められています。

ミノキシジルはどこで入手できる?

ミノキシジル外用薬は、市販薬として取り扱われる“第一類医薬品”に分類され、薬局・ドラッグストアで購入できます。しかし、医師による処方でないため、高濃度のミノキシジル外用薬は購入できません。

【購入できる場所・製品】

  • 薬局・ドラッグストア
    →低濃度の外用薬
  • クリニック・オンライン処方
    →高濃度の外用薬、内服薬

ミノキシジル内服薬は、厚生労働省の認可を受けていないため、薬局・ドラッグストアでは購入できません。そのため、クリニックやクリニックのオンライン上で医師の診療を受ける必要があります。また、クリニックやクリニックのオンライン処方であれば、医師の判断のもと高濃度の外用薬の処方を受けることも可能です。

ミノキシジルの副作用について

ミノキシジルを使用することにより、副作用が現れることもあります。
外用薬と内服薬では作用する範囲が異なるため、副作用の現れ方にも違いがあります。それぞれの副作用について下記で確認していきましょう。

外用薬の副作用

ミノキシジル外用薬は、塗布した頭皮部分へ副作用が現れることがあります。副作用のリスクは、ミノキシジルの配合濃度が高いほど増加すると考えられています。

  • 頭皮のかぶれ・赤み
  • かゆみ
  • フケ
  • 初期脱毛 など・・

塗り薬が肌に合わないと皮膚に炎症を起こしてしまうことがあるため、肌が弱い方はトラブルが起きないように気をつける必要があります。ミノキシジル外用薬を初めて使用するときは、アレルギー反応が出ないかパッチテストを行ってから使用するのが良いでしょう。

内服薬の副作用

ミノキシジル内服薬(ミノタブ)の副作用は全身に及ぶリスクがあります。頭髪以外にも発毛効果が現れるため、体毛が濃くなることがあります。

  • 多毛症
  • むくみ
  • 動悸・息切れ
  • 肝機能障害や心臓疾患
  • 初期脱毛 など・・

ミノキシジル外用薬と違い、内服薬(ミノタブ)は心血管系に影響を与えるため、血圧低下により動悸や息切れなどの症状を引き起こすことがあります。また、肝臓や腎臓機能を低下させ、むくみが現れることもあります。

ミノキシジルで初期脱毛が起きるのはなぜ?

ミノキシジルで起きる初期脱毛とは、毛母細胞の活性化により、古い髪が抜ける現象のことです。初期脱毛は、ヘアサイクルに影響を与えることが原因で引き起こされます。
血管を拡張させて毛包に働きかけ、休止期にある毛根を成長期に移行させるために一時的に髪が抜け落ちていきます。このように、初期脱毛は新しい髪の成長を促す過程で自然な現象です。

ミノキシジルの初期脱毛が続く原因

ミノキシジルで起きる初期脱毛は、新しい髪の成長を促すために必要な過程ですが、3ヶ月以上続く場合は他の要因により脱毛症状が治らないケースもあります。

【考えられる原因】

  • 生活習慣の乱れ
  • AGA、FAGA、びまん性脱毛症以外の薄毛
  • ミノキシジルの副作用の炎症

AGA、FAGA、びまん性脱毛症以外の疾患(円形脱毛症や牽引性脱毛症など)であると、ミノキシジルでは脱毛症状の改善が望めないことがあります。また、ミノキシジルの副作用で生じるかゆみなどの影響で頭皮に炎症が起きてしまうと、髪の毛が抜けてしまうことがあります。
生活習慣の乱れが抜け毛の増加を招く原因になることもあるので、不規則な生活は送らないように心掛けましょう。

ミノキシジルの飲み合わせ|併用禁忌薬

ミノキシジルの飲み合わせ|併用禁忌薬

ミノキシジルは、もともと高血圧患者の治療薬として開発されたもので血管に作用する特徴があります。そのため、血圧に作用する薬との併用は注意が必要です。
高血圧に対する薬や偏頭痛治療薬などとの飲み合わせには注意しましょう。

ミノキシジルを服用してはいけない人

ミノキシジルは血管の拡張作用があり、心血管系への影響が懸念されるため、高齢者や循環器系、血圧に疾患のある方は注意する必要があります。

【服用できない・注意する必要がある人】

  • 未成年
  • 高齢者
  • 妊娠・授乳中の方
  • 循環器系、血圧に疾患がある方
  • 腎臓、肝臓に異常がある方

妊娠または妊娠の可能性がある方や授乳中の方は、胎児に影響する可能性があるため服用できません。また、未成年者の使用は禁止されています。

ミノキシジルの男性・女性での違い

男性・女性での違い

ミノキシジルは性別を問わず脱毛症状に有効ですが、男性と女性では処方されるミノキシジルの配合濃度が異なります。日本での場合、ミノキシジルの配合濃度は一般的に男性用が約5%に対し、女性用は約1%の製品が販売されています。
ミノキシジルの男性と女性での違いは、配合濃度だけではなく、ホルモンの関係などにより、服用できる薬も異なります。下記で詳しく見ていきましょう。

男性はフィナステリドと併用で相乗効果も

男性の場合、ミノキシジルと違う方向からアプローチする薄毛治療薬と併用することで、より薄毛改善効果を実感できることがあります。
毛髪全体の健康を整えるミノキシジルと抜け毛の進行を抑制するフィナステリドは、それぞれアプローチの仕方が異なるため併用することが可能です。フィナステリドと同様、脱毛の進行を防ぐデュタステリドもミノキシジルと併用することができます。
このように、ミノキシジル以外の薄毛治療薬と飲み合わせることによって、さらに高い脱毛症状の改善効果が望めます。

女性の薄毛にもミノキシジルは有効

ミノキシジルは、女性の薄毛に対しても効果が期待できます。
女性の場合、男性ホルモンの分泌に影響を与えるフィナステリドやデュタステリドは禁忌薬とされています。皮膚から体内に吸収される“経皮吸収”の可能性があるため、外用薬であっても使用することができません。
ミノキシジルであれば外用薬・内服薬を問わず問題なく使用できるため、女性の薄毛治療に有効とされています。
女性の薄毛治療については
女性の薄毛治療ガイド|クリニック選びや通販のリスクを解説
で紹介していますので、ぜひご確認ください。

フィナステリド・デュタステリドが女性に禁忌とされる理由

フィナステリドとデュタステリドは、男性への薄毛治療薬としては有効ですが、女性は使用することができません。

【フィナステリド・デュタステリドが女性に禁忌とされる理由】

  • ホルモンへの影響が心配される
  • 胎児・乳児への影響が心配される
  • 有効性・安全性の試験が行われていない

フィナステリドとデュタステリドが女性に禁忌とされる理由は、ホルモンバランスを乱すことや妊娠中の胎児・授乳中の乳児に悪影響を及ぼす原因になる可能性があり、注意が必要なためです。

ミノキシジルの注意点|効果実感までの期間

注意点

ミノキシジルに限らず、薄毛治療は始めてすぐに効果が現れるものではありません。
一般的に、ミノキシジルの効果を実感できるのは使用を始めてから約6ヶ月前後とされています。しかし、効果実感までの期間には個人差があり、早くて約3ヶ月で効果を感じる方もいれば、1年以上続けても効果を実感できなかったという方もいます。
また、ミノキシジルは発毛を促す薬のため、治療をやめてしまうと、もとの頭髪状態に戻ってしまうことが考えられます。治療の効果を実感するためには、最低でも半年程度は継続することが大切です。効果が出ないからといって、治療を中断しないように注意しましょう。

ミノキシジルが効かないのはなぜ?

外用薬・内服薬を問わず、ミノキシジルが効かないと感じるケースもあります。上記で述べた通り、使用を継続していないこと以外にもさまざまな原因があります。

【効かないと感じる原因】

  • 使用を継続していない
  • AGA、FAGA、びまん性脱毛症以外の薄毛
  • 生活習慣の乱れ
  • 頭皮に炎症が起きている
  • 正規品ではない

AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)、びまん性脱毛症以外が原因による薄毛や病気(自己免疫疾患など)による脱毛症状の場合は、ミノキシジルでは改善が望めないことが多いです。また、頭皮に炎症が起きている場合や生活習慣の乱れが抜け毛の増加を招いている可能性もあります。
そのほか、個人輸入のミノキシジルを購入したことなどにより、正規品のミノキシジルでない可能性も考えられます。個人輸入品は、偽造薬や粗悪品が流通していることもあるので気をつけましょう。

ミノキシジルが効かないときの対処法

対処法

ミノキシジルの効果が実感できないときの対処法を紹介します。

  • 生活習慣の改善
  • メソセラピー
  • 植毛
  • ヘアアートメイク

そもそもミノキシジルの効果はすぐに実感できるものではありませんが、脱毛症状の改善に向けてすぐに取り入れられる方法や、施術を受けて薄毛を改善する選択肢もあります。

生活習慣を改善する

生活習慣の乱れは、髪の成長にもさまざまな悪影響を与えます。
下記の要因を見直すことで、ミノキシジルの効果をより感じられるように改善できる可能性もあります。

  • 睡眠・栄養・運動不足を解消
  • 過度な飲酒や喫煙を避ける
  • ストレスを軽減する

睡眠不足やストレスは毛周期を乱し、髪の成長の妨げになることがあります。また、過度な飲酒や喫煙、運動不足は血行不良を招く原因につながります。血行不良や栄養不足は、髪に必要な栄養素を届けられずに薄毛を進行してしまう可能性もあるため、規則正しい生活を送るように心がけましょう。

メソセラピーを併用する

メソセラピーとは、注射器などを用いて頭皮に栄養成分や薬剤を注入する薄毛治療法のことを指しています。ミノキシジル外用薬や内服薬と併用することで、より高い発毛効果が期待できます。

【こんな人におすすめ】

  • 発毛・育毛効果を早く実感したい
  • 外用薬・内服薬で効果を実感できない

メソセラピーは、有効成分が配合された薬剤を直接注入するため、短期間で効果を実感しやすいのが魅力です。また、フィナステリドやデュタステリドを使用できない女性の方にもおすすめです。

植毛を検討する

植毛とは、頭皮に毛髪を直接植え付ける薄毛治療法の1つです。
一般的に通院の必要がなく、1回の手術で完了するためすぐに見た目を変えたいという方におすすめの薄毛治療法です。

【植毛の種類】

  • 自毛植毛
    自分の髪の毛を薄毛が気になる部分へと移植する方法
  • 人工毛植毛
    合成繊維(ポリエステルやナイロン)で作られた人工毛を植える方法

自毛植毛は、自分の髪の毛を移植しているため自然な仕上がりを実現できます。人工毛植毛は自分の髪の毛ではないため、植毛する本数や長さなど希望に沿って仕上げることが可能です。
植毛はナチュラルに髪の毛が増えたように見せ、気になる薄毛をカバーできるのが魅力です。

ヘア(頭皮)アートメイクの施術を受ける

ミノキシジルの効果が感じられない時は、薄毛をアートメイクでカバーする選択肢もあります。ヘア(頭皮)アートメイクとは、頭皮の浅い部分に色素のついた専用の針で線やドットを描き、髪の毛が生えているように見せる施術方法です。

【ヘア(頭皮)アートメイクの種類】

アートメイクが定着している間は、擦っても濡れても落ちないのが魅力です。また、ヘア(頭皮)アートメイクは発毛への影響もほぼないため、ミノキシジルや他の薄毛治療との併用も可能です。

ヘアラインの注意点については
ヘアラインアートメイクとは?メリデメ・生え際の仕上がり例・注意点
で詳細をご確認ください。

SMPの症例写真や料金については
頭皮アートメイク(SMP)|髪を描く新しい薄毛治療の選択肢
で詳細をご確認ください。

まとめ

これまでの内容を振り返り、大切なポイントを以下にまとめました。

  • ミノキシジルは発毛・育毛効果に加え、抜け毛を防ぐ効果が期待できる
  • ミノキシジルには、外用薬(塗り薬)と内服薬(ミノタブ)がある
  • 男性だけでなく、ミノキシジルは女性の薄毛にも有効
  • ミノキシジルは薄毛治療に効果が認められているが、副作用のリスクもある
  • ミノキシジルには新しい髪の成長を促す過程で“初期脱毛”と呼ばれる一時的に髪が抜け落ちる現象が存在する
  • ミノキシジルの効果が実感できないときには、脱毛症状の改善に向けて取り入れられる方法や施術を受けて薄毛を改善する選択肢もある

ミノキシジルは、男性のみならず女性の脱毛症状にも有効な成分です。薄毛治療は始めてすぐに効果が現れるものではありませんが、継続することで脱毛症状の改善が期待できます。
自分に合った方法の薄毛治療や改善方法を実践して、自信の持てる毛髪を目指しましょう。

よくある質問

植毛とミノキシジルは併用できますか?

植毛手術を受けた後でもミノキシジルは使用できます。
髪の毛の成長を促進するため、ミノキシジルでの治療を続けることで、より良い改善効果が期待できます。

個人輸入で販売されているミノキシジルは安全ですか?

個人輸入品の購入はおすすめできません。
ミノキシジルの安全性は、各国で基準が異なります。品質が保証されていなかったり、体質に合わないことによって健康被害を及ぼすリスクがあります。副作用が現れた場合でも自己責任となるため、危険性が高いです。個人輸入品は、偽造薬や粗悪品が流通していることもあるので気をつけましょう。

ミノキシジル使用中にお酒を飲んでも大丈夫ですか?

ミノキシジル使用中の飲酒は控えた方が良いでしょう。
ミノキシジルとアルコールは、血管を拡張して血圧を下げる作用があります。両方を同時に摂取してしまうと、ミノキシジルの作用が強く出てしまうなど副作用のリスクが高まります。

ページトップへ戻る