女性の薄毛について|原因や改善策をご紹介

女性の薄毛について|原因や改善策をご紹介

年齢に関係なくきれいな姿でいたい方にとって、髪は非常に大切な要素の1つです。
しかし薄毛は加齢や出産、生活習慣など、さまざまな理由で発症するため、多くの女性を悩ませています。
このページでは、女性の薄毛の原因や治し方、セルフでできる改善策などを解説していきます。
原因によっては、ちょっとした心がけや工夫で改善できる場合もあるのでぜひ確認してみてください。

女性の薄毛とは

女性の薄毛は髪全体がまばらに薄くなる、びまん性脱毛症のケースが多いです。
このびまん性脱毛症を含む、女性の代表的な薄毛をFAGA(女性男性型脱毛症)と言います。
FAGAの主な原因は女性ホルモンの減少ですが、女性は生活習慣などさまざまな要因で薄毛になるので、女性の薄毛をまとめてFPHL(女性型脱毛症)と呼ぶこともあります。

FAGAの症状や治し方については、FAGAとは|まばらに抜ける女性の薄毛症状で詳しく解説しているので、ぜひご確認ください。

FAGAの種類と進行パターン

女性の代表的な薄毛症状であるFAGAには、ルードウィッグ型、ハミルトン型、クリスマスツリー型の3タイプがあります。
その中でもルードウィッグ型が特によく見られます。
初期のルードウィッグ型は分け目がやや気になる程度ですが、進行すると頭頂部から後頭部にかけて薄くなります。

男性の薄毛との違い

男性の薄毛の症状

女性と男性の薄毛は、原因や進行のしかたが異なります。
女性のFAGAに対して、男性の薄毛・脱毛症状のことをAGA(男性型脱毛症)といいます。
AGAは加齢に伴って髪が薄くなる進行性の脱毛症で、遺伝や男性ホルモンの働きが主な原因です。
20代以降から、生え際や頭頂部などの特定の部分の髪が抜け始めます。
生え際から後退するM型・U型、頭頂部から丸く進行するO型などがあり、いずれも最終的には側頭部と後頭部の髪だけが残ります。

女性が薄毛になる原因は?

女性の薄毛の原因は主に次の7つです。

  • 加齢
  • 出産
  • ヘアスタイルによるダメージ
  • 病気
  • 遺伝
  • 生活習慣の乱れ
  • ストレス

まずは薄毛の原因を知ることで、それをケアするための適切なアプローチが見えてきます。
それでは1つずつ確認していきましょう。

加齢

女性ホルモンの分泌量の変化
年齢を重ねるとエストロゲンという女性ホルモンの分泌量が減少します。
これにより男性ホルモンの影響を受けやすくなるので、髪が薄くなります。
エストロゲンは髪の成長やハリコシ、ツヤを維持するのに不可欠なホルモンです。
30代前後に最も多く分泌されますが、更年期に差し掛かる40代前後から急激に減少してしまいます。

出産

出産した後に発症する薄毛を分娩後脱毛症といいます。
産後はホルモンバランスが乱れるので、一時的に髪が抜けやすくなります。
また経口避妊薬(ピル)の服用をやめる際も、同様に毛が抜けてしまう場合があります。

ヘアスタイルによるダメージ

ヘアスタイルによる髪のダメージ

髪形が原因で牽引性(けんいんせい)脱毛症になることがあります。
日常的に高めのポニーテールや三つ編みにする方は特に注意が必要です。
またヘアカラーなどを頻繁に行うと、頭皮や髪がダメージを受けて間接的に薄毛になる場合もあります。

病気

女性に限った原因ではありませんが、病気で髪が薄くなることもあります。
特に20代前後の薄毛は、病気や生活習慣の乱れが原因として考えられます。
一般的な薄毛は加齢とともに進行しますが、病気の場合は治癒と同時に改善できる可能性が高いです。

膠原病(こうげんびょう)

免疫機能が異常に働いて、自分のからだの健康な細胞まで排除してしまう自己免疫疾患です。この病気によって髪や体毛が薄くなることがあります。特に女性に多い症状です。

甲状腺疾患

甲状腺ホルモンは髪の成長と大きく関係しています。そのため甲状腺機能低下症や、甲状腺機能亢進症(こうしんしょう)などの甲状腺疾患になると、髪が抜けて薄くなる場合があります。

円形脱毛症

ストレスや自己免疫異常が原因で、部分的に丸く髪が抜ける病気です。頭部だけでなく、眉毛やひげなどに生じることもあります。

抜毛症

自ら髪やそのほかの毛を引き抜いてしまう精神疾患です。強い不安や緊張感から、無意識に抜いてしまうこともあります。

抗がん剤治療

抗がん剤の副作用として、髪やそのほかの体毛が抜け落ちてしまうことがあります。基本的には治療が終われば再び生えてきます。

婦人科系疾患

多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群などの病気でホルモンバランスが乱れると、薄毛になる場合があります。特に生理不順の方は注意が必要です。

皮膚病

肌トラブルで頭皮環境が乱れると、髪の成長が阻害されます。特にひこう性脱毛症は悪化すると大量のフケやかゆみにも悩まされます。

遺伝

薄毛と遺伝のハッキリした関係は解明されていませんが、母から娘へと遺伝する可能性はあるようです。
FAGA以外にも、円形脱毛症やひこう性脱毛症などは遺伝による影響を含むと考えられています。
母が薄毛で悩んでいたら、自分も早めに対策したほうがよいでしょう。

生活習慣の乱れ

偏った食生活や過度なダイエットなどで、髪の成長に必要な栄養素が不足すると薄毛になる場合があります。
また十分な睡眠を取らないと、摂取した栄養を毛包まで送り届けることができません。
脂っぽい食事や睡眠不足が続くと、脂漏性(しろうせい)脱毛症などになる可能性もあります。

ストレス

ストレスで自律神経が乱れると、ホルモンバランスや血行も悪影響を受けるので、髪が薄くなります。
自律神経を整えるには、朝日を浴びたり軽くウォーキングしたりするのが効果的です。
「薄毛に対するストレスで症状が悪化する」という悪循環に陥らないように、早めの対策を心がけましょう。

女性の薄毛を治すには

クリニックで受診を受けている人

薄毛は薄毛専門クリニックや皮膚科を受診するのが一般的ですが、女性ホルモン関係ならレディースクリニックに相談するのもおすすめです。
ここでは、クリニックで薄毛を治す代表的な方法をご紹介します。

ミノキシジル(塗り薬)

ミノキシジルは医学的にも発毛効果が認められている、頭皮に使う塗り薬です。
血管拡張作用もあるので、必要な栄養素を毛包までしっかりと届けられます。

ミノキシジルタブレット

ミノキシジルタブレットは、ミノキシジル成分を配合した飲み薬です。
発毛効果が高い一方で、多毛や動悸などの副作用が現れる場合もあります。
そのほか女性の薄毛改善には、パントガールという飲み薬もよく使われます。

サプリメント

食事だけで必要な栄養を摂取するのが難しい方は、サプリメントの活用もおすすめです。
薄毛対策には亜鉛、豆乳イソフラボン、ビタミン類、ケラチンなどが効果的と言われています。
さまざまな成分が記載されていても、微量しか含まれていない場合があるので、自分で選ぶ際は含有量にも注目してみましょう。

メソセラピー

薄毛治療におけるメソセラピーは、医薬品成分や栄養素を直接毛包に注入する施術のことです。
注射器や針状のローラー、レーザー照射などを使用します。
内服薬や外用薬と組み合わせると、それぞれの効果が効率よく引き出されるので、より高い発毛効果が期待できます。

植毛

髪の毛やその代替品を頭皮に植え付ける方法です。
自毛植毛の場合は、後頭部の毛を頭皮組織ごと切り取って使用します。
生着すればほかの毛と同じように成長するので、自然にボリュームを出すことができます。

セルフでできる薄毛改善策

ここまでは薬や施術での解消法をご紹介しましたが、生活習慣の乱れやストレスから生じる薄毛は、セルフの対策で改善できる可能性があります。
ここでは自宅でできる3つの改善策をご紹介します。

頭皮マッサージ

薄毛対策の頭皮マッサージ

頭皮マッサージのやり方

  1. 手のひらを耳の上に当てて、頭頂部までクルクル動かす
  2. 指の腹でおでこから後頭部までもみほぐす

マッサージをすると頭皮の血流がよくなるので、毛包にしっかりと栄養を届けることができます。
朝晩2回、指がなめらかに動くシャンプー中などにやると効果的です。

食事と睡眠の改善

健康な毛を育てるには、バランスのよい食事をとることが大切です。
薄毛が気になる方は髪の成長に深く関わっている、たんぱく質やビタミン、ミネラル(亜鉛)を中心に摂取するようにしましょう。
これらの栄養素は、魚介類やレバー、大豆製品、ナッツ類、乳製品、緑黄色野菜などに多く含まれています。

また良質な睡眠をとることも髪の成長には欠かせません。
私たちは深い眠りについている間に髪の成長をサポートする成長ホルモンを分泌しているからです。
睡眠の質を高めたい方は、毎日同じ時間に起きることや、朝日を浴びることなどを心がけましょう。
その他、1日20分以上の有酸素運動を行うことや、自分に合った寝具を選ぶことなども効果的です。

正しくシャンプーする

正しくシャンプーすると頭皮環境が整うので、髪が成長しやすくなります。
シャンプーする際のポイントは次の4つです。

  • 頭皮を傷つけない
  • 爪を立てない
  • 洗い残さない
  • 低刺激なシャンプーを選ぶ

シャンプーで強く洗うと、頭皮が刺激を受けて髪が抜けてしまう場合があります。
頭皮の負担を抑えたい方は、せっけん系のシャンプーで優しくマッサージするように洗うのがおすすめです。
またシャンプー後は、なるべく早くドライヤーで乾かすことも大切です。

いつからケアする?女性の薄毛サインをご紹介

女性の薄毛のサイン

初期段階では気付きにくい女性の薄毛。
ここでは薄毛の進行が始まっているかもしれないサインをご紹介します。

薄毛のサイン

  • 細くて短い毛が抜け毛に混ざっていた
  • 分け目が広がった
  • なんとなく髪のボリュームが減った気がする
  • 髪にハリコシがなくなった

個人差はありますが、30代半ば〜40代くらいで薄毛の症状が現れます。
薄毛は早期の治療が望ましいですが、多少進行していても「遅すぎる」ということはありません。
女性はつるつるになるまで髪が抜けることが少ないので、男性よりも治療の効果を実感しやすいです。
「薄毛は治らない」とあきらめる前に、一度医師に相談してみてください。

薄毛のカバーはヘアアートメイクがおすすめ

ヘアアートメイクは、色素のついた針で頭皮に線やドットを描く施術です。
一定期間は頭皮に色素が定着するので、ヘアスプレーのように汗や水で落ちる心配がありません。
ヘアアートメイクには次のような種類があります。

スカルプエアーメディカル

スカルプエアーメディカルは細かいドットで頭皮を黒っぽく見せる施術です。
1回の施術で3〜6か月ほど持続します。
分け目やつむじの広がりを目立たなくしたい方や、パウダー感を求めている方におすすめです。
スカルプエアーメディカルの症例

こちらは当院のスカルプエアーメディカルの症例です。
白っぽさが気になる頭頂部も、やわらかなドットで埋めることで目立たなくなります。
施術の流れや料金はスカルプエアーメディカルについてでご確認いただけます。

SMP

SMPは頭皮にドットを描く施術で、2年程度効果が持続します。
薄毛に悩む男性にもおすすめな施術です。
SMP(頭皮アートメイク)のメリットやデメリットはこちらで解説しています。
詳しい施術内容や料金についてはSMPのページをご確認ください。

ヘアラインアートメイク

生え際に線を描いて毛が生えているように見せる施術です。
理想的で美しいヘアラインに変わるので、小顔効果も期待できます。
おでこに丸みを出したい方や、自然な毛流れをつくりたい方におすすめです。
ヘアラインアートメイクのメリットやデメリットについてはこちらで解説しているので、ぜひご確認ください。
施術症例や注意点はヘアラインアートメイクのページをご覧ください。

まとめ

女性の薄毛に関してここまでの内容をまとめると、次のポイントが大切です。

  • 女性の薄毛は髪全体がまばらに薄くなる特徴がある
  • FAGA(女性男性型脱毛症)はホルモンバランスの乱れや生活習慣など、さまざまな要因が絡み合って発症する
  • 薄毛は専門クリニックや皮膚科、レディースクリニックなどで診てもらえる
  • 頭皮マッサージや食生活の改善などで薄毛を対策できる
  • 薄毛をカバーするならヘアアートメイクもおすすめ

髪をきれいに保つためには、まず自分のからだの健康状態を知る必要があります。
その上で原因に応じた適切な改善策を探していきましょう。
またなかなか髪が生えてこない方や部分的にカバーしたい方は、ヘアアートメイクもおすすめです。
この機会にぜひご検討ください。

よくある質問

帽子をかぶっているとハゲるって本当ですか?

帽子をかぶるだけで薄毛になることはありません。
ただし帽子で髪が引っ張られたり、頭皮が蒸れたり、頭が引き締められたりすると、薄毛につながる可能性があります。
帽子を身に着ける際は、被り方や着用時間、サイズに気をつけましょう。

ウィッグ(カツラ)の着用はおすすめですか?

ウィッグはかぶるだけで簡単に髪形に変えられるので、薄毛のカバーにおすすめです。
近年の技術進化により、ふわっとした自然な見た目のウィッグがたくさん登場しています。
しかしメンテナンス代や交換代などが積み重なって、高額なお金を請求されるケースもあるので注意しましょう。

育毛剤と発毛剤の違いはなんですか?

育毛剤は現在生えている毛が健康に伸びるように、頭皮環境を整えるアイテムです。
対して発毛剤は、毛包を活性化させて頭皮に新しい毛を生えさせる効果があります。

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